🎻あらやんとバイオリン弾こか（11） 🎻番外編🎻
バイオリンアンサンブルのススメ 奇跡が起きる弦楽器の世界
アンサンブルの形態はオーケストラや吹奏楽、弦楽合奏、弦楽四重奏などいろいろありますね。その中で弦楽器のアンサンブルほど特殊で面白い世界はないと思います。
バイオリンはソロ楽器ですがアンサンブルも可能な楽器です。ピアノのアンサンブルと言うのも見たことありますが、ステージの上にスタインウェイを10台も並べるわけにいかないと思います。
ビバルディの4本のバイオリンの協奏曲をバッハが編曲しチェンバロを4台の協奏曲もありますが、しかしこれは準備の段階でも大変でしょう。特殊なことです。一生に一回見るか見ないかくらいですね。
クラリネットは私はとても好きな楽器の一つですが、吹奏楽ではオーケストラのバイオリンの役割をクラリネットが受け持ちます。例えばクラリネット大勢でドビッシーの海とかリムスキーコルサコフのシェーラザードとかを本来ならバイオリンがするべきところクラリネットが受け持つのです。重音奏法やスルタストという運弓で柔らかな音を出す奏法やスタッカート奏法など、クラリネットはそれに似せて演奏するのですが、、弦楽器のトレモロやピッチカートを管楽器で表現するのは難しいようです。
以前、コンクールで毎年金賞を取る様な吹奏楽団に招かれて、バイオリンの特殊奏法を披露しに行ったことがあります。その吹奏楽団は原曲は吹奏楽の曲なのだろうかと思う位の素晴らしい演奏をしました。見事なものでした。
オーケストラでは通常、第一バイオリンが12人から16人です。弦楽器はお互いに共鳴し合うので1本のバイオリンが20本以上も集まってそれが1つの集合体になり音楽を生み出します。
バイオリンのユニゾンの本当の美しさを知っているバイオリニストはどれだけ居られるでしょうか？ユニゾンで動く力強さ、優しさなどソロでは到底味わえない素晴らしい響きがあります。
弦楽器の多い人数のアンサンブルは《ミラクル&マジック》の世界です。
これが少人数の5人位のアンサンブルだとそういったミラクルはおきません。
5人のパートの中で4人が良い音を出し、そして1人が変な音程で弾いていたらその5人のセクションはその変な音を弾いている人の音になります。しかしながら弦楽器の全体の人数が例えば20人を超えるような人数で演奏している場合、その中で1人が変な音を弾いていたとしても、それはかき消されるのです。結果、素晴らしい音だけ残り美しい音楽になるわけです。
例えば20人の弦楽器は19人は良い方向で弾いているわけですからその人たちのエネルギーが1人の変な音を吸収して外に出ないようにします。だからオーケストラの弦楽器は奇跡の集団だと思います。
弦楽器のアンサンブルではその中でこういう奇跡が起きているのです。ある意味、社会の構造に似ています。しかしこのパートの中の上手に弾いている人と、そうでない変に弾いている人の割合が逆転すると結果は推して知るべしです。
バイオリンと言う楽器は無伴奏で演奏できますが、他人と演奏することが多い楽器です。それはピアノだったり同じバイオリンだったり。社会性のある楽器だと思います。
バイオリンを個人的に楽しんでおられる方はぜひアンサンブルに参加できるようになればいいと思います。自分はまだ未熟だしアンサンブルなんかとてもと思わず参加しましょう。いいのですそのままで。
アンサンブルしてて難しいところは一瞬で時間は過ぎますから何とかやり過ごして後でしっかり練習しましょう。友達もできるし、いろんな経験も増えるし、音楽の話もできるし、コンサートホールで演奏会も経験できます。バイオリンケースを抱え外に出て気分も変わり良いことばかりだと思います。
レッスンに通いつつ月に1度か2度位アンサンブルに参加できるような状態が理想かなと思います。
ぜひ皆さん奮って参加ください。随時募集しております。2022 11・6
（つづく）