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ヴァイオリンが肩に乗らない日🎻

🍵あらやんの独り言☕️
ヴァイオリンを長く弾いていると、ときどき不思議な日があります

いつも使っている同じ楽器。

肩当ても顎当ても昨日と同じ。

なのに構えてみると、

「あれ? 今日はヴァイオリンが肩に乗らないな」

と思う。

何度か置き直してみる。

少し位置を変えてみる。

それでも何となく落ち着かない。

「どうやったら乗るんだろう」

そんなことを考えながらヴァイオリンを構える日が、あります。

長い間ヴァイオリンを弾いてきましたが、これは決して珍しいことではありません。

なぜなら、

身体は毎日同じではないからです。

昨日と今日では、肩の状態も違う。

首の感じも違う。

背中の張り方も、身体の重心も微妙に違います。

ところが私たちは、ヴァイオリンの「正しい構え方」というと、つい一つの決まった形があるように考えてしまいます。

肩はこう
顎はここ
楽器の角度はこれくらい

もちろん基本は必要です。

しかし、人間の身体は機械ではありません。

毎日少しずつ違う身体に、昨日とまったく同じ形を強制しようとすると、どこかに無理が出てきます。

楽器が乗らないから肩を上げる
落ちそうだから顎で押さえる
不安定だから左手で持つ

すると、その小さな無理が左手を固くし、ポジション移動を難しくし、ビブラートを止め、やがて右手にも影響してきます。

私はむしろ、

その日の身体が、どこなら自然に楽器を受け入れてくれるのか。

そこを探した方がいいと思っています。

構えるというのは、毎日同じ「形」を再現することではない。

その日の身体と楽器との関係を作ること。

そう考えた方が自然です。

私は以前、二挺のヴァイオリンを所有していました。

ビジャッキとデガーニです。

デガーニはほんの少しだけ大きな楽器でした。

私には肩の張りが強く感じられ、身体との間に少し抵抗がありました。

もちろん、これはデガーニという楽器の良し悪しではありません。

実際、そのデガーニのE線は、何ものにも代えがたいほど美しい音色でした。後にも先にも、あれほど美しいE線の響きには出会っていません。

今でも覚えています。

ただ、私の身体との相性という点では、ビジャッキの方が自然だった。

そのデガーニは現在、私の弟子の手に渡り、ドイツのオーケストラで現役の楽器として活躍しています。楽器と身体との相性は、本当に人それぞれなのだと思います。

なぜかビジャッキは肩当てを外しても弾けます。

これが自分でも不思議なくらいなのですが、構えると、何の抵抗もなく身体に入ってくる。

「ここに置かなければ」と探さなくても、自然に場所が決まる。

おそらく、アウトラインが私の身体に合っているのでしょう。

ヴァイオリンというものは、胴長や横幅といった数字だけでは分からないものがあります。

肩の張り方、アッパーバウツからC-boutへ向かう曲線、アーチング、エッジ。

そうしたものの組み合わせが、身体に触れたときの感覚を作っています。

同じ4/4のヴァイオリンでも、構えた感じは一本一本まるで違います。

これは楽器を選ぶときにも、とても大切なことだと思います。

試奏すると、どうしても音を聴きます。

「G線が太い」

「E線がきれい」

「よく鳴る」

もちろん、それも大切です。

でも、その前に一度、

楽器を構えたとき、自分の身体がどう感じているか

を見てほしい。

肩を上げていないか。

顎で押さえていないか。

左手で知らないうちに楽器を支えていないか。

そして何より、

何もしなくても、その楽器が自分のところへ来てくれるか。

これは数分音を出しただけでは気づかないこともあります。

楽器との相性は、練習にも現れます。ある楽器なら一度でできることが、別の楽器では何度も繰り返さなければできない。そんなこともあります。

単純に音の良し悪しではありません。

楽器と身体との間に抵抗が少なければ、左手も右手も余計な仕事をしなくていい。

そして、その分だけ、

「楽器を弾く」ことではなく「音楽をする」ことに集中できる。

今では、これも楽器の大切な性能の一つだと思っています。

そして、いつも身体によく合っている楽器でさえ、

今日はどうも肩に乗らない。

そんな日があります。

そんなとき私は、それほど慌てなくてもいいと思っています。

ヴァイオリンがおかしくなったわけでも、昨日できた構え方を忘れたわけでもない。

ただ、

今日の身体は、昨日の身体とは違う

それだけのことかもしれません。

ヴァイオリンを身体に押しつけるのではなく、今日の身体と楽器が自然に出会う場所を探してみる。

ヴァイオリンの構え方とは、本来そういうものなのかもしれません。

身体は毎日同じではない。

だから、構えも毎日まったく同じである必要はない

長くヴァイオリンを弾いていると、そんな当たり前のことに、ふと気づかされる日があります。

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