2022/4/7 COMI✖️TEN 出演しました//あらやんのバイオリン教室YouTube開催中

一つの理論を、百通りの角度から語る

🎻バイオリン🎻

音色セミナーを始めてから、よくこんなことを言われます。

「毎月、新しいテーマがありますね。」

その言葉をいただくたびに、私は以前の自分を思い出します。

実は、セミナーを始めた頃の私は、「毎回、新しいことを話さなければならない」と思っていました。

新しいテーマ
新しい発見
新しい内容

前回と同じことを話してはいけない。

そんな気持ちがどこかにあったのです。

しかし、回を重ねるうちに、一つのことに気づきました。

私は毎月、新しい理論を話しているのではありません。

一つの理論を、毎回違う角度からお話ししているだけなのです。

私が長年考え続けてきたことは、とてもシンプルです。

「音色は何によって決まるのか」

この問いを追い続けて、私はさまざまな場所で学びました。

ニューヨークでは、演奏の土台となるセットアップを学びました。

ドイツでは、ポジションチェンジについて深く学びました。

九州交響楽団では三十八年間、多くの指揮者や演奏家と音楽を作り続けました。

そして、レッスンでは子どもから大人まで、本当にたくさんの方と向き合ってきました。

その頃は、それぞれが別々の知識だと思っていました。

ところが七十歳を過ぎた頃、不思議なことが起こりました。

頭の中で、それらが一本につながったのです。

左手のタッチ。

ボーイング。

接点。

ポジションチェンジ。

ビブラート。

セットアップ。

楽器。

弦。

どれも独立した技術ではありませんでした。

すべてが「音色」という一つのテーマの中で結びついていたのです。

このことに気づいてから、私の教え方も変わりました。

「今日は左手だけ。」

「今日はボーイングだけ。」

そういう考え方ではなくなりました。

左手を説明するときも、必ず音色につながる。

ビブラートを説明するときも、必ず左手の自由につながる。

楽器の話をするときも、最後は演奏者自身の音作りにつながる。

すべてが一本の線の上にあります。

だから、私にとってセミナーのテーマは毎月変わっているようで、実は変わっていません。

同じ山を、毎回違う登山道から登っているようなものです。

東側から登れば見える景色が違います。

西側から登れば、また違う景色があります。

しかし、頂上は一つです。

教育も同じではないでしょうか。

本当に大切なのは、新しい知識を次々と増やすことではありません。

一つの本質を、少しずつ深く理解していくことです。

私は71歳になりました。

正直に言えば、若い頃より体力は落ちています。

けれど、見える景色は若い頃よりずっと広くなりました。

四十年、五十年と積み重ねてきた経験が、ようやく一本の線になったからです。

だから今、私には一つの願いがあります。

私が何十年もかけて気づいたことを、もっと若い世代や、多くのヴァイオリン愛好家の皆さんに伝えたい。

遠回りをしなくてもいいように。

私が何十年もかかったことを、もっと早く知っていただけるように。

それが教師の役目だと思っています。

これからも私は、新しい理論を追い求めるのではなく、

一つの理論を、百通りの角度から伝え続けていきたい。

それが私の音色セミナーであり、YouTubeであり、レッスンであり、これから書いていく文章でもあります。

音色の探求に終わりはありません。

だから私も、これから先も学び続け、考え続け、そして伝え続けていきたいと思っています。

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